今、私たちが子どもにできること

緊急事態宣言が一部地域で解除されることが決まりました。

 

私たちが住んでいる地域では、緊急事態宣言は解除されることに決まりましたが、自治体からは「学校は予定通り5月31日まで休校です。学校再開は6月1日からの予定です。」という悲しい通知がやってきました。

 

私たちの住む地域では、子どもたちの出校日もまったく設定されていません。これまでの数回あった出校日にも、親が代わりに教科書やプリントを取りに行っただけでした。子どもたちは3月からずっと閉じ込められたままで、もう限界です。子どもたちの心の痛みが自治体に届いているとはどうしても思えず、脱力と無念しかありません。

 

 

一方で、引き続き、緊急事態宣言が出たままの地域が残ってしまったことにも心が痛みます。

 

このように地域の状態に差があるときに、いつも思い出すのは、私が高校3年生の時に起きた渇水のことです。

 

私は、福岡で生まれて福岡で育ちました。私が高校3年生の時は、全国的に渇水で、福岡では295日間断水が続きました。このうちかなりの期間(少なくとも数カ月は)、夜7時から朝7時まで12時間断水だったと記憶しています。

 

大学受験を控えた高校3年生の時に、夜7時から朝7時まで水道から水が出ない生活をしなければならないつらさは、今、新型コロナウイルスの渦の中での受験生を持つご両親であれば、実感として分かっていただけるのではないかと思います。

 

お風呂はもちろん19時までに。シャワーは禁止。19時以降にトイレに行きたくなったら、お風呂にためたままの水をバケツにくんで流します。朝、学校に行く途中に一度トイレに行きたくなってしまったことがあり、地下鉄の駅でもポリバケツにためられた桶のなかから水を汲んでトイレを流したことを思い出します(学校に行くのは7時過ぎですが、たしかに桶から水をくんでながしました。地下鉄の駅や公園の水道などからは終日水が出なくなっていたように記憶しています)。

 

 

夜7時から朝7時まで水が出ない。

 

受験生にとっては、19時はまだまだ寝る時間ではありません。学校から帰宅して、そこから勉強が始まる時間です。でも、19時すぎると水道から水が出なくなる。いそいで家に帰って、まずは家族で順番に急いでお風呂に入ってご飯を食べて寝る支度をして。時計を見ながら過ごしていたのをよく覚えています。

 

庭の草木に水をやることは一切できず(朝7時以降は水は出ますが、貴重な水なので、庭の草木への水やりは自分たちの判断でやめていました)、母が育てていた花はすべて枯れてしまいました。

 

いつ雨が降るのか、いつも週間天気予報を見ていました。台風の時期に雨を望んでも全然降らず、夏を超え、秋を超え。それでもなかなか雨は降りません。

 

 

あまりにも長い断水期間に嫌気がさしてきた秋のことです。

 

日曜日の朝の番組を何気なく付けたら、全国放送の朝の情報番組が始まりました。

 

冒頭で、アナウンサーの方が元気よく「おはようございます。いやぁ、断水が解除されて良かったですね!」とおっしゃいました。それからCMに入るまで、いろんなタレントさんが代わるがわる「自分はこんなに大変だった」とか「普通に水が使えるようになって家族で喜んでいます」といった話をされ、見えないトンネルの中にいる自分たちのつらさは誰も知らないし、気にもかけてくれていないのだと、深く傷ついたのを覚えています。

 

台風、地震新型コロナウイルス。さまざまな場面で地域の状況に差が出ることはあります。被災地域が地方であればあるほど「東京に問題がなければすっかり忘れられてしまう」のが、毎回とてもつらいです。どんな時でも、まだまだ長いトンネルの中にいる方がいらっしゃることを、忘れないように情報を発信していただきたいと思います。(今回はその点では問題ないですね)

 

 

5月末までの休校期間。本当に長いです。。

 

 

今、私たちにできることは、子どもに明るく接することだと思います。

 

今思うと、私が高校3年生の当時も、両親は本当に明るく、そしていろんな工夫をして私たち兄弟の生活を守ってくれていたと思います。お花に水をあげることをやめた母の決断の真意が、今、やっと分かった気がします。母のことはいつもとても尊敬しています。

 

子どもの前では明るく過ごす、これが、私たち親が、今、子どもたちにできる唯一のことだと思います。みんなで頑張っていきましょう。

 

今日も読んでいただきありがとうございます。子どもの年齢や生活スタイルの似ている方のブログはとても参考になります。

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