社会に出て活躍するということ-⑨受け身になる状況を作り出しているのは誰か

少し前から、単に勉強できるということではなく、社会人になってからのことを見据えた子どもの育ちについて考えています。

 

何度か書いていますが、このシリーズを書き始めたのは、教育を専門としている方とお話しする機会があったことがきっかけでした(ちなみに、対面ではなくオンラインでお話ししました)。その方は、小学生から高校生までの学習指導をしていらっしゃる方で、短期的な成績向上ではなく将来に向けて伸びて行くことを重視した指導をされている方です。多くの子どもの育ちを真剣に考えているからこそ見える世界があり、とても参考になりました。

 

これまでのブログはこちらにあります。

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その方といろいろと議論する中でとても印象的だったのは、

  • 子どもを受け身の状態にしているのは、親が原因の場合がほとんど。子どもを変えたければまずは親が変わらなければならない

という話でした。

 

この話は、自分なりに考えて「試行錯誤の重要性」や「失敗することの大切さ」という形でこれまでにも書いてきたので、これから書く話はこれまでにした話と重複するところが多いかと思います。でも、ぜひ知っていただきたいことなので、あらためて書いていきたいと思います。

 

今日と明日に分けて、

  • 「子どもを受け身の状態にしているのは誰か」を考え、まずは親が自覚することが必要。
  • 親が変わらなければ子どもは変わらない。親はどうやって変わればいいのか。

について書きます。

 

 

自分のお子さんが「勉強に対して受け身」だと感じたことがある方はいらっしゃるでしょうか?

 

我が家の場合は、今思うと、完全に受け身だったと思います。

 

毎日自分で決めた勉強はやるものの、それももともとは私と一緒に「毎日このぐらいはやろうか」と決めた内容でしたし、なによりも良い成績をとるために工夫しながら取り組んでいるというよりは、毎日自分がやる量を単にこなしていただけで、習得するために自ら復習したり、身につける工夫や試行錯誤は出来ていなかっただろうと思います。学校から出された宿題もなんとなくこなしていた状態でした。

 

 

初日に書いたように、大学の教養までの勉強と、そこから先のことは、根本的に頭の使い方が違います。前者(答えのある課題)は「受け身」の状態でも乗り切っていけます。答えがあるので、与えられる勉強をこなしていくことで前に進むことができるわけです。一方で、後者(答えのない課題)は、受け身の状態でゴールにたどり着くことはまず困難でしょう。大雑把なゴールが決められているだけですから、明確なタスクがあるわけではありません。自分自身が能動的・主体的に試行錯誤しながら進めなければ、一歩も前に進むことはできないだろうと思います。

 

高校生までの学習の中で、常に受け身であった子どもは、仮に勉強ができた(良い成績が取れた)としてもその先で困ってしまうというのです。

 

こちらのブログの中で書いた内容とも重複します。

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仮に、「ほおっておくとうちの子は勉強しないのですよ」と言って、子どものことを導いてあげたとします。中学だけでなく高校時代も導いて、仮に無事に大学にも合格できたとしましょう。

 (中略)

親や塾の先生が整えてくれた道を歩みながら「与えられる勉強」に対して「答えのある勉強」しかやってこなかった子どもは試行錯誤能力が十分育っていないことが多いと感じます。

 

親や塾の先生から与えられる勉強をこなしているだけでは、「受け身の子ども」に育ってしまいます。

 

 

 

では、子どもが受け身になる状態を作り出しているのは誰でしょうか?

 

 

答えはもちろん、勉強を与えてしまっている親や塾の先生なのです。

 

 

 

中学校合格や高校合格だけを考えれば、与えた勉強をこなしていくことがとても楽なことだと思います。大学受験も、学生さんに足りていないところを分析して的確に与えてくれる塾や家庭教師の先生がそばについていれば、手取り足取りで合格できてしまうだろうと思います。

 

子どもは考えなくてもいいのです。言われるがままにしておけば、点数も取れてしまうのですから、点数をとることだけを考えれば、こんなに近道はないと思います。

 

それでも、思春期を迎えた頃に親の言うことを聞かなくなってしまう子が多いことも事実だそうです。 小学生のうちはまだ言うことを聞いていても、思春期になって言うことを聞かなくなり、勉強をやらなくなってしまうパターンの子どもについてはこちらに書いた通りです。

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でも、「思春期に親の言うことを聞かなくなってしまったらむしろラッキー、軌道修正をするチャンスだ」と、その方はおっしゃっていました。

 

「思春期に親の言うことを聞かなくなってしまったらむしろラッキー、軌道修正をするチャンスだ」という話を伺った時に、20年ほど前に、ある大学の先生から伺ったひとりの大学生を思い出しました。その男の子は、超一流大学の学生さんで、もう20年ほど前に大学生だった方なので、今はもうどこかで社会人になっていらっしゃるかもしれません。

 

その大学の先生が担当している講義の単位が取れそうになかった時に、親御さんから研究室宛に電話があったのだそうです。「うちの子、すごく頑張って勉強しているんです。私もその様子を知っています。どうにか単位を出してあげられませんか」とお願いされたのだそうです。

その大学の先生は、電話を受けたときは「親が勝手に電話してきたのかな」と考えたそうですが、電話口の隣にはその男の子もいて、お母さんが「ほら、あなたからも何かお願いしたらいいわよ」と言うお母様と何かやりとりをしている声が聞こえたそうです。

その学生さんはきっとずっとお母様がそうやって横について大学生になったのだろうと思います。大学の勉強もお母様が伴走してくれているようだったと先生はおっしゃっていました。

 

 

親の伴走の甲斐あって、大学はもしかしたら卒業できるかもしれません。

 

でもそんなの、親はいつまで子どもの面倒をみるのだろうか、と途方に暮れてしまいますよね…。

 

 

 

でも、3年、5年、6年、10年、15年かけて、受け身の子どもを育ててしまったとしたらどうでしょうか。

 

せっかく思春期を迎えて、親から独立しようとするチャンスもあったのに、それでも「親の言うことを聞いておけばいいんだよ」と矯正してしまったとしたらどうでしょうか。それはお互いにとってとても不幸なことかもしれないと思います。

 

親が一生子どもの面倒を見るつもりなら大丈夫です。

 

でも、私たち親は子どものそばにずっとついているのではありません。塾の先生もそうです。社会人になり、自分で考えて、自分で自立して社会で生きて行ってもらわなければならないのです。

 

 

今は受け身でも、その時になったらできるようになりますよ

 

そう考える方もいらっしゃるかもしれません。何度も書いていますが、「このままではまずい」と思って立て直す学生さんもたくさんいらっしゃいます。でも、その一方で、大学に「先生何とかなりませんか」と電話してこられる親御さんもいらっしゃるわけです。「先生何とかなりませんか」で何とかした子どもは確実に社会人になった時に困ります。

 

 

 

以前のブログに書いたことですが、「放っておくとうちの子は勉強しないのですよ」と言って道を整えてあげる親は、将来そのせいで子どもが困ることになるなんて思ってもみないと思います。子どものために良かれと思ってやっていることで、それが子どもの試行錯誤の機会を奪っていることになっているだなんて、とても不本意なはずです。

 

受け身の状態を作り出している原因が自分や自分が与えた環境(塾)にあるとしたら、それは認めたくない事実だと思います。

 

でも、まずはそれを認めるところからです。

 

 

繰り返しますが、我が家も受け身の状態でした。「やること終わったんだからあとは遊んでもいいよね」と。やることって、確かに問題集は終わっているけれど、これ解けるようになってないでしょ…という状態だったわけです。

 

でも、そんな受け身の状態を作り出していたのは自分自身だったと反省しました。方向転換をして2か月ちょっとが経ちました。この2か月で子どもの様子はずいぶん変わってきたと思います。

 

明日は、親が変わるためにはどうすればいいのか、私自身もまだ変わろうとしている最中ですが、具体的に何に気を付けているかを書きたいと思います。

 

今日も読んでいただきありがとうございます。子どもを変えたければまずは親が変わりましょう。明日はその方法について書いてきます。

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