高校の「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」では何を学ぶのか?

昨日のブログに、大学入学共通テストの科目として「情報」が採用されるらしい、ということを書きました。

selfmanagementforkids.hatenablog.com

 

 

昨日はとてもざっくりとした情報しか書けなかったので、今日は少し詳細について書いていきたいと思います。書いていたら長くなってしまったので、興味がない方は今日のブログは読み飛ばしていただければと思います。

 

良い休日をお過ごしください(^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

さて。

ここから先は、興味がある方が読んでくださるというつもりでじっくり書きます。

 

まず、普通高校では、2022年度から「情報Ⅰ」が必履修科目として、「情報Ⅱ」が選択履修科目として実施されます。そして、このうち「情報Ⅰ」が大学入学共通テストの科目となるようです。つまり、今のところ「情報Ⅱ」は共通テストの対象外です。

 

この改正はいったいどの学年から対象になのか?についてですが、

文科省の資料の中に、

令和6年度実施の令和7年度大学入学者選抜に向けて

とありました。

 

「令和6年度に試験を受けて、令和7年度に大学生になる人」が対象ということです。つまり、現在の中学3年生以下が対象となるようです。来年度から科目となるので、それに伴って、来年高校生になる子どもたちが対象ということですね。

うちの子どもたちはガッツリ対象です。このブログを読んでくださっている方には中学三年生以下のお子さんをお持ちの方がたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

 

 

 

 

おなじみの通りすがりのリケジョ様からは、昨日のブログにこんなコメントをいただきました。

こんにちは。
これについては先日、新聞で少しだけ取り上げられていました。
確か現段階では全国で90弱の大学が、共通テストか個別試験、または両方で「情報」を課す意向を示し、大半の大学は判断材料が不足している為に「検討中」だと記事では書いていたように記憶しています。
今後、「情報」が受験科目になる可能性は増えるかもしれませんね。

ところで勉強不足で申し訳ないんですが科目で扱う「情報」がどういうものなのかイマイチぴんと来ていません。
従来数学で扱っていた統計学を用いた「情報分析」を指しているのか、はたまた巷にあふれる「プログラミング」などを指しているのか、それとも両方を含めたものを指しているのか・・・。

おそらく統計学を利用した「情報分析」ができて、「情報分析」を活用できる人間を増やしたい意向が文科省からは見えるのですが、科目としての「情報」はまた別なんでしょうか?
・・・と言ってもウチの子供はまだ小2と小1なのでたいした対策もできないですが(汗)

もし、ご存じでしたらご教授いただけたら幸いです。

 

 

新聞でも取り上げられていたのですね。また、ご質問もありがとうございます。

 

 

 

 

もともと、昨日の話は、情報処理学会メーリングリスト

大学入学共通テスト「情報」がこの国を変える!
開催:2021年10月3日(日)10:00-11:30[会員・非会員問わず参加無料]
会場:zoomウェビナー

という案内を読んだのがきっかけでした。

 

この案内のメールの中にもあった「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」の全文はこちらの「大学入学情報提供サイト」にありました。(令和7年度よりも、もっと近々の情報も、このサイトに載っています)

www.mext.go.jp

 

 

 

 

「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」

 

 

 

長いタイトルですね (;^ω^)

この手の書類にはありがちなのかもしれませんが

 

 

 

こちらの資料を私なりに読んで、まず、どのような形式で「情報」が大学入学共通テストに入ってくるかを調べてみました。

資料の「付録」にこんな表がありました。

 

 

f:id:selfmanagementforkids:20210922152123p:plain

 https://www.mext.go.jp/content/20210729-mxt_daigakuc02-000005144_2.pdf から引用

 

 

ご承知の通り、大学や学部によって、受験に必要な科目は変わります。二次試験はもちろんですが、共通テストで必要とされる教科も受験する大学によって変わります。ですから、上の表の中でどの科目が受験に必要かは、それぞれの大学(正確には学科)が出した情報を見なければ分からないということになります。受験に必須の科目もありますし、選択式の科目もあるのが現状で、その形は維持されるようです(例えば、ある大学の経済学部だと数学受験か社会受験かが選べたりします。そんな選択科目のひとつとして「情報」が科目として入ってきたり、学科によっては必須科目となるかもしれない、といった具合です)。

通りすがりのリケジョ様のコメントの中にもありましたが、現時点で、すでに「情報」の利用を発表している大学もありますが、まだ態度を保留にしている大学も多く、各大学・学科ごとにこれから検討していくという段階のようです。

 

 

 

 

次に、通りすがりのリケジョ様からもいただいた「情報」では何を学ぶのか?ついてです。私なりに「情報Ⅰ」や「情報Ⅱ」で何を学ぶのか?についても調べてみました。

 

文部科学省初等中等教育局教科調査官の方の作った資料がとても分かりやすかったので、資料から抜粋させていただきます。元の資料はこちらをご覧ください。

f:id:selfmanagementforkids:20210922165835p:plain

f:id:selfmanagementforkids:20210922165846p:plain

https://www.kknews.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/12/29a2f7491ddc802dad4b46f073e8359c.pdf より引用

 

2013年からは「情報の科学」や「社会と情報」という教科で授業が始まっていて、それが統合・改変する形で2022年からは「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」になるようです。

 

 

 

情報Ⅰと情報Ⅱの内容について話す前に、そもそも論ですが、現在「人工知能(AI)」と呼ばれているものは、プログラムを書くことで実装されています。(そのぐらい知っていますという声が聞こえてきそうです(;^ω^))

現在のプログラミングの形は2022年には今とは大きく変わっている気がしますけど。それは一旦置いておきましょう。

プログラムを書く作法をしっていればプログラミングができるかと言えばそういうわけではありません。どういうコンテンツを作るのかのアイデアも必要ですし、いわゆる「機械学習」と呼ばれるような学習機構の実装の部分では確率や統計や微分積分のような数学の力を多く必要とします。

 

 

その前提を踏まえてあらためて上の表(2枚目の「5.小中高の学びの例」)を見ると、情報Ⅰは「数学Ⅰと連携」情報Ⅱは「数学B」と連携と書いてあって、「なるほどな」と思いました。実際、数学が分からなければできない話もたくさんありますからね。そういう意味では、大学で教えていた線形代数みたいな話も高校に降りてくるのかもしれませんね。(今も行列計算は高校で勉強していると思います。その範囲が少しだけ広がりそうな気がしますが、情報が見つけられなかったのでよくわかりません)

 

 

 

 

さて、話を戻して、

もう少し細かく「情報Ⅰ」の内容についてみると、下記の通りだそうです。

f:id:selfmanagementforkids:20210922170534p:plain

いろいろと細かい情報も載っていましたので、ぜひ元の資料でご覧ください

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https://www.kknews.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/12/29a2f7491ddc802dad4b46f073e8359c.pdf から引用

 

 

知っている人が見れば、どれもこれも「ふむふむ」「なるほどね」みたいな内容だと思います。

 

まぁ、例えていうなら、家庭科の調理実習で一通り「切る」「炒める」「焼く」「煮る」みたいなのを学ぶのと同じような感覚ですかね。そんなに専門的な料理を教えるわけではないし、実践的な料理とか料理の手抜きの仕方を教えるわけではないけれど、「基本のことは一通り知っておいて後から困らないようにする」ためのカリキュラムのように見えます。

 

 

仮にこの制度がしばらくつづくとして、今の小学生が高校生になる頃(10年後)の世の中は今とはまたずいぶん違うと思うので、ここで習うことがどのぐらいその時点の子どもたちに役に立つのかはわかりませんが、「古典的な(数年前に流行っていた)プログラミング」とか「古典的な(数年前に流行っていた)情報の理論」とかを知っておくのも良いとは思うので、勉強する価値は十分あるのではないかと思います。それに、歴史の勉強に昭和や平成のイベントについてもどんどん入っているのと同じように、情報の内容もその時々で変わっていくのでしょう。また、今やこの手のスキルはさまざまな分野で役に立つので、将来に渡って役に立つスキルにもなると思います。

 

この手の学習を、高専ではもっとたくさんしています。高専から大学に編入してくる学生さんたちは本当に優秀で、今や高専卒業の学生さんは超売れっ子です(人気なので入学の偏差値もかなり高くなっている高専が多いと思います)。それを想うと、普通科に進んでも情報の勉強ができることは良いことだし、情報工学の道に進む子に限らず、どの分野に進んだとしてもきっと役に立つ勉強になるだろうと思います。

 

 

ただ、そもそも高校の先生方に「情報」という科目が教えられるのかは若干(というか、かなり)心配ではありますね。外部講師とかビデオ授業とかで実践していくしかないでしょうね(´・_・`)

※後日追記:すでに高校では20年前から「情報」の授業があっていて、高校の先生方でも十分授業をやれるとの情報をいただきました(詳細はこちらのブログで訂正しています)。大変失礼いたしました。

 

以上、私なりに調べた結果でした。

長くなってしまってすみません。

中学三年生以下のみなさん、頑張って行きましょう。

 

情報処理学会のウェビナーの申し込みはこちらからできます。どのぐらい大学共通テストのことが語られるのかは私はまったく分かりませんが、どんなことが語られるのか興味がある方は参加してみられるといいかもしれません。

www.ipsj.or.jp

 

今日も読んでいただきありがとうございます。できるだけ多くの方のもとに届けばと思ってランキングに参加しています。応援していただけると嬉しいです。(また、このこの情報が役に立った!という方はぜひブログでも広めてください)

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